記数法 ・・・ 文字や記号で数を表現する方法
例えば、普段使っている記数法は、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」の10種類の文字(数字)を使う10進法。
「9」の次の数字は存在しないので、位を上げて「10」と表現する。
10進法以外の記数法
2進法
「0,1」の2種類の文字を使う記数法。
「1」の次の数字は存在しないので、位を上げて「10」と表現する。
従って、2進法の「10」は10進法の「2」に相当する。
8進法
「0,1,2,3,4,5,6,7」の8種類の文字を使う記数法。
「7」の次の数字は存在しないので、位を上げて「10」と表現する。
従って、8進法の「10」は10進法の「8」に相当する。
16進法
「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F」の16種類の文字を使う記数法。
「A,B,C,D,E,F」は10進法の「10,11,12,13,14,15」に相当する。
16進法の「10」は10進法の「16」に相当する。
数値0〜15(10進法)の表し方を比較すると、次のようになる。
2進法 | 8進法 | 10進法 | 16進法 |
0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 1 | 1 | 1 |
10 | 2 | 2 | 2 |
11 | 3 | 3 | 3 |
100 | 4 | 4 | 4 |
101 | 5 | 5 | 5 |
110 | 6 | 6 | 6 |
111 | 7 | 7 | 7 |
1000 | 10 | 8 | 8 |
1001 | 11 | 9 | 9 |
1010 | 12 | 10 | A |
1011 | 13 | 11 | B |
1100 | 14 | 12 | C |
1101 | 15 | 13 | D |
1110 | 16 | 14 | E |
1111 | 17 | 15 | F |
10進数を2進数に変換する方法
2で割った余りを右から書いていく。
(例1)「18」を2進数で表す
18÷2=9あまり0
9÷2=4あまり1
4÷2=2あまり0
2÷2=1あまり0
1÷2=0あまり1
答 10010
(例2)「30」を2進数で表す
30÷2=15あまり0
15÷2= 7あまり1
7÷2= 3あまり1
3÷2= 1あまり1
1÷2= 0あまり1
答 11110
2進数を10進数に変換する方法
(n桁目×2n-1) + … + (1桁目×20)
(例)2進数「110」
(1×22) + (1×21) + (0×20)
=(1×4) + (1×2) + (0×1)
=4+2+0
=6
∴2進数「110」は10進数「6」である。
2進数の加算
1桁の2進数の加算
0+0= 0
0+1= 1
1+0= 1
1+1=10
2桁以上の2進数の加算
各桁で下の桁からの繰り上がりを含む3つの数の和を考える。
0+0+0= 0
0+1+0= 1
1+0+0= 1
1+1+0=10
0+0+1= 1
0+1+1=10
1+0+1=10
1+1+1=11
(例1)
110+101=1011
110
+)101
-----
1011
(例2)
111+11=1010
111
+) 11
-----
1010
論理演算(Boole演算)
「真」と「偽」の2つの数の演算。
(真を1、偽を0と表すこともある)。
次の4種の演算がある。
論理積(AND)
偽∧偽=偽
偽∧真=偽
真∧偽=偽
真∧真=真
論理和(OR)
偽∨偽=偽
偽∨真=真
真∨偽=真
真∨真=真
排他的論理和(XOR)
偽XOR偽=偽
偽XOR真=真
真XOR偽=真
真XOR真=偽
否定(NOT)
偽 =真
真 =偽
論理演算と2進数の関係
「真」を「1」、「偽」を「0」と考えて、論理積(AND)と排他的論理和(XOR)を組み合わせると、2進数の加算(足し算)を計算できる。
1桁の2進数の加算(全部で4通り)
0+0=0
0+1=1
1+0=1
1+1=10
答を1の位と10の位に分けて考える。
1の位
0+0の答の1の位は、0
0+1の答の1の位は、1
1+0の答の1の位は、1
1+1の答の1の位は、0
これは、排他的論理和(XOR)と同じ演算である。
偽XOR偽=偽
偽XOR真=真
真XOR偽=真
真XOR真=偽
10の位
0+0の答の10の位は、0
0+1の答の10の位は、0
1+0の答の10の位は、0
1+1の答の10の位は、1
これは、論理積(AND)と同じ演算である。
偽∧偽=偽
偽∧真=偽
真∧偽=偽
真∧真=真
繰り上がりを考えれば、2桁以上の2進数の加算も計算できる。
論理回路
論理演算を行なう電気回路(論理回路)を作ることができる。
リレーとは
電磁石の力でON-OFFを切り替えるスイッチ。

リレーを使った論理回路

トランジスタとは → 半導体とは
c-e間には電流が流れない。しかし・・・
b-e間に電流を流すと、c-e間にも電流が流れる。

トランジスタを使った論理回路

排他的論理和(XOR)の回路
AND、OR、NOTを組み合わせて作る。

論理回路のまとめ

加算器
論理回路を組み合わせて、加算(足し算)する回路を作ることができる。

多桁の加算器
1桁目の計算に半加算器、2桁目以上の計算に全加算器を使い、下位の桁上げ出力(C)を上位の桁上げ入力(X)につなげると、多桁の計算ができる。

フリップフロップ回路
データを記憶する回路。
RSフリップフロップ

S(セット)とR(リセット)の入力を切り替えると、Qの出力が変わる。
入力(S、R)と出力(Q)の関係
S |
R |
Q |
0 |
0 |
前の状態を保持 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
1 |
SとQを同時に1にするのは禁止 |
(注)上図で記号が付いていない端子が1つあるが、ここにはQの否定(Q)が出力される。