数式中で他のセルに入力されているデータを使用する場合は,セル番地を指定する事は前に説明しました. 同様の計算を別のセルのデータに適用したい場合は,もう一度同じような計算式を入力するのは面倒なので数式をコピーします. 数式を記述するときのセル番地の書き方によって,数式をコピーしたときの振舞が変わります.
数式はデータが入力されているセル番地を用いて記述しますが,セル番地をそのまま用いた場合に式を別のセルにコピーすると,数式を記述してあるセルとその数式中で使用しているデータのセルとの「相対的な位置関係」が保たれた状態でコピーされます.
つまり,前ページの練習で「A8」に「=A1*A1」という式を入力しましたが,この数式を「B8」にコピーすると,「B8」には
「=B1*B1」
が入力されます.このように「A1」が自動的に「B1]に変わります.
これは,各データを決まった列にそれぞれ入力しておいて,それら全部に対して同じ計算をさせる場合に非常に便利です.
練習15.1のシートの「A8」の下のセルに(A13まで)同様の数式をコピーし,コピーされたセルの中の数式がどのように変更されているか確かめましょう.
次に,「A8からA13」の式をその横の「B列からF列」にコピーしてみましょう.コピーされたセルの中の数式がどのように変更されているか確かめましょう.
同じデータを様々な計算で何度も用いる場合や,特定のデータを決まった場所に書いておきたい場合に,数式にセル番地をそのまま使用する相対参照を用いると,コピーしたときにセル番地が変更されてしまい,思ったような計算結果が得られません.
従って,数式をコピーしたときにセル番地が変更されないような参照の仕方である「絶対参照」を用いて数式を記述します.その方法は,固定しておきたい列や行のセル番地の前に「$」記号を付けて記述します.
練習15.2に次のような数式を入力して,計算結果がどうなるか確かめよ.
以下の練習問題を「相対参照」,「絶対参照」を上手く利用した数式を考えてやってみましょう.
イギリスでは,重さの単位にポンド[lb]が使われているます.これを,グラム[g]に変換することを考えてみます.
1ポンドは,453.59237グラムと定義されているので,ポンド数にこれをかければグラムが計算できます.しかし,計算する度にこの数値を入力するのは面倒なので,表のどこかに予め入力しておき,計算するときは,入力してある場所から呼び出して使うことにします.絶対参照を使えば,これが簡単にできます.
今までの説明が理解できていれば分かると思いますが,次のように書けば,「A4」セルにポンド数を入力すれば,「B4」セルに換算したグラム数が表示されます.
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 1ポンド | 453.59237 | |
2 | |||
3 | ポンド | グラム | |
4 | (ここに入力) | = \$B\$1*A4 |
これを参考にして,次のものを新しいシートに作成して下さい.
種類 | とちおとめ | ペルーマンゴー | ふじりんご | イタリアマスカット | オーガニックバナナ | マスクメロン | デコポン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
単価(円) | 400 | 4300 | 1500 | 12000 | 330 | 15000 | 1100 |
種類 | とちおとめ | ペルーマンゴー | ふじりんご | イタリアマスカット | オーガニックバナナ | マスクメロン | デコポン | 支払金額 | 消費税率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Aセット | 4 | 0 | 2 | 1 | 2 | 0 | 2 | ||
Bセット | 8 | 1 | 1 | 1 | 3 | 1 | 2 | ||
Cセット | 12 | 2 | 2 | 0 | 3 | 1 | 3 | ||
Dセット | 24 | 1 | 2 | 2 | 4 | 2 | 4 | ||
Eセット | 12 | 2 | 3 | 1 | 5 | 2 | 3 |