研究紹介

生物学単位で行っている主な研究活動について

 生物学単位では,さまざまな生命現象のしくみを理解することを目的として,分子から細胞,組織,器官,個体,さらに生態系レベルに至る解析を行い,細胞生物学,生化学,生理学,発生学,神経科学,さらに生態学分野の研究を展開しています.解析の対象としては,各研究者の目的に応じて昆虫・魚類・両生類・鳥類・哺乳類などの個体や細胞,維管束植物まで広く扱っています.

現在進行中の研究テーマ

1)記憶・学習を支える神経基盤に関する研究(浜﨑浩子 教授,中森智啓 助教)
鳥類のインプリンティング(刷込み行動)をモデルとして,幼若期の学習行動や神経細胞の可塑的変化のメカニズムを明らかにする.


2)脳と行動の性分化に関する研究(浜﨑浩子 教授,加藤智美 講師)
鳥類において,遺伝的制御と内分泌制御の相互作用によって脳に生じる性的二型を検出し,雌雄胚間で脳の交換移植を行ったモデル動物の解析を行うことで,性分化における雌雄それぞれの脳の役割を解明する.


3)エネルギー代謝調節の神経基盤に関する研究(浜﨑浩子 教授, 中森智啓 助教)
モデル動物を用いて,エネルギー代謝における脳やその他の組織の機能を明らかにする.


4)骨形成過程における組織間相互作用の研究(和田浩則 教授)
ゼブラフィッシュの骨組織(鰓蓋骨・舌顎骨・鱗)を用い,骨の形態形成のさいに,周囲の組織がどのように相互作用しているのかを明らかにする.


5)器官再生における細胞外小胞の役割に関する研究(和田浩則 教授)
ゼブラフィッシュの尾ヒレ(鰭条骨)の再生過程において,細胞外小胞がどのように形成され,情報伝達に働くのかを明らかにする.


6)細胞の遊走と増殖に関する研究(西村真由子 講師)
培養細胞を用い,細胞が遊走する仕組みや増殖して集団を形成する仕組みについての解析を行う.


7)ポリアミンによる植物の光合成促進に関する研究(坂田剛 准教授)
CO2と親和性がある生体分子ポリアミンが植物の光合成を促進するメカニズムを明らかにし,植物の環境適応に果たす役割を解析する.


8)小笠原諸島の植物の光合成と水利用の戦略に関する研究(坂田剛 准教授)
海洋島である小笠原諸島において,独自に進化してきた植物の光合成や水利用の特性を比較し,同じ場所に異なる生存戦略の固有種が共存するメカニズムを解析する.


9)イモリを用いた原腸胚形成のしくみに関する研究(増本三香 講師)
原腸胚形成に伴う内胚葉細胞の運動機構の解析を行う.



10)カイコ休眠卵の人工孵化メカニズムの解明(山本貴之 助教)
古くから知られる浸酸処理法による人工孵化と,我々が新規に発見したジメチルスルホキシド(DMSO)による人工孵化を分子レベルで比較・解析しその機構を解明する.


主な研究業績(2000年以降)(別ウィンドウで開きます)
2020.4.14 Update